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夢のようだったサムソンとの日々
有力馬を担当するプレッシャー。それも最初から自分の担当ではないとなれば、さらに重くのしかかる。解散した瀬戸口厩舎から引き継ぐ形で、メイショウサムソンを約2年間担当した中田厩務員。昨年の有馬記念で引退して3カ月が経過した。現在はメイショウホウオウ(8歳オープン)とメイショウタイガ(3歳新馬)を担当している。「あっという間だったね。バタバタしていたよ」と当時をしみじみと振り返った。
G?馬の移籍は珍しく、高橋成師をはじめ、厩舎関係者の重圧は想像以上のものだっただろう。毎朝、自宅から厩舎に向かうときが緊張したという。「ドキドキしたね。脚元にちょっと不安が出たりしたこともあったけど、気にするほどのものはなかった。ほとんど調教を休むこともなかったな。2、3日でも休んだりすると、“何かあったんじゃないか?”と騒がれるからね」。注目度も高く、気苦労は絶えなかった。
移籍後のサムソンは天皇賞春秋連覇を飾り、欧州競馬の最高峰である凱旋門賞にも参戦した。「フランスにも行ったし、今思えば夢みたいだった」。ハードな日々だったのは間違いないが、同時に大きなプレゼントをもらった気分だろう。
9月に定年を迎える中田厩務員だが、今年も凱旋門賞に行くプランがある。息子の中田助手が担当するウオッカが参戦した場合だ。ドバイはテレビ観戦になるが「凱旋門賞に出るなら応援について行かないとな」と実現を楽しみにする。サムソンのときとは違う気持ち、父親として息子の担当馬に熱い声援を送ることだろう。ぜひ記者も一緒に行って応援したい。ただ、こちらは仕事も含めての話になるが。
(関西デイリー・中江寿)
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