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総合的な治療の効果でウォーエンブレムが回復
数少ない産駒が大活躍を続けているウォーエンブレム。その中から秋華賞勝ち馬ブラックエンブレムまで出現してしまったのだから、その“病気”の回復具合にはますます注目が集まっている。
ウォーエンブレム産駒は現2歳世代に5頭の産駒がいるが、1歳、当歳には1頭もいない。04年こそ気分が乗っていて53頭と交配できた(産駒は33頭)が、その後はまた性欲が減退し続けていた。社台スタリオンSでは海外の獣医師にコンサルタントを依頼し、ホルモン療法、動物行動学の観点からの治療、メンタルケアなど、総合的な治療を続けてきた。
ウォーエンブレムの場合、ほかの牡馬に対して遠慮してしまう性格であることが判明した。通常、野生動物のオスは縄張り意識が強く牝馬を奪い合うものだが、性に対してどん欲ではなく控えめなウォーエンブレムはほかのオスの気配、臭いなどを感じるだけでメスを譲る気持ちになってしまうのだ。そのため牡馬の臭いが全くしない環境で過ごさせて、種付けも種付け所ではなくウォーエンブレム専用の馬房を使用して、今春の種付けを試すことになった。
最初はそれでもうまくいかなかったが、5月20日に初めて成功すると、その後は順調に39頭と交配することができたのだ。受胎しているのは十数頭の見込みだが、3年ぶりの種付け成功は何とも明るい話題。来年以降、完全復活となれば、種牡馬界の勢力分布に大きな変化を呼び起こすのは間違いない。
2008年10月24日
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