変則日程のため、全休日となった火曜日の栗東トレセン。ジェンティルドンナを担当する日迫助手は午前6時半に厩舎へ姿を現した。休日はカイバをつけてから趣味のゴルフを楽しむのがパターンだが、この日は「メンバーが集まらなかった」と当てが外れて苦笑い。“3冠制覇”という大一番の前でも、リラックスムードが漂う。

　順調にきているからこその自然体。前哨戦のローズSを叩いて、2冠牝馬は思惑通りに上昇を描いている。「前回は馬体の緩みが取れなくて“1回使わないと駄目かな”と思っていたからね。ひと叩きして、いい感じで張りが出てきた。前回よりも明らかに良くなっていますよ」。1週前追い切りでは栗東坂路で4F52秒6−12秒9(G強め)を叩き出し、迫力満点の動きを披露。偉業達成へ向けて視界は極めて良好だ。

　数々の名勝負が繰り広げられた3歳牝馬GIの最終戦。競馬の難しさを知っているベテランだからこそ、大一番にも肩ひじを張ることはない。「ブエナビスタ(3冠制覇がかかった09年に3着)もそうだったけど、能力だけでは勝てないレース。おごりはないですよ。自分の競馬をして負けたら仕方がない」。泰然自若の姿勢が、貴婦人には何よりも頼もしく映る。

全休日の9日はリラックスムードのジェンティルドンナ

2012年10月10日