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馬三郎25時

ブルーメンG?初制覇に川島Jらの影なる努力

 先日行われたマイルCS。2番の単複で勝負した私は、10番人気ファイングレインの激走に興奮していた。正直言って1、2着は何でもよかった。ファインが3着に入ってくれたことが何よりも嬉しかった。

 その後、気分よく検量室前で取材を開始。すると、まるで自分がG?を勝ったかのように喜ぶ川島の姿があった。その瞬間、我に返った。「そうか、あのブルーメンが勝ったのか…」。

 ブルーメンブラットは安藤厩舎の解散に伴い、石坂厩舎に転厩。その後、メキメキと頭角を現した。カイバやトレーニング方法が変わり、馬体が大幅にボリュームアップ。G?を勝つまでの馬に成長した。ただこの馬が“競走馬になれなかった可能性があった”ことはあまり知られていない。つまり安藤厩舎に入らなければ、デビューすらできなかった可能性もあったのだ。

 彼女は極度の怖がりで、ゲート内で失禁する癖があった。横になったり、座り込んだりする馬は修正できるが、失禁は厄介。能力を発揮できないため、競走馬になれないケースも多い。

 だが川島と加納助手(現・荒川厩舎)は諦めなかった。毎日のようにゲートに連れて行き、ゲート内で暴れるブルーメンを必死に我慢。生傷の絶えない日々が1カ月半も続いた。その努力のかいあって駐立は完ぺきな状態に。競走馬として晴れてデビューの日を迎えることができたのだ。

 今の時代、1カ月半もの時間をゲート練習に費やすのは大きなロス。昔ながらの厩舎でデビューしたからこそ、ブルーメンブラットが誕生したとも言える。「石坂厩舎のノウハウなくしてG?制覇はあり得なかったと思う。でもG?馬に携われたことは素直にうれしいです」と川島。影に埋もれている彼らの努力を少しでも伝えたいと思った。

(関西デイリー・松浦孝司)

2008年12月02日