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馬三郎25時

癒される“おっさん”の変わらぬ姿

 若かりしころは「彼女の視線が気になる夏」だったが、今は「加齢臭が気になる夏」になってしまった。汗をかく暑い場所が大嫌いな筆者だが、先週の新潟初日の1Rから、すでに炎天下になっていたパドックに張り付き「おっさん」の姿を捜した。相変わらずやる気があるのか、ないのか、よく分からない眼をしていたが、元気に歩いているのを見てひと安心。心が癒された。

 「おっさん」とは今春から新潟競馬場で誘導馬デビューを果たしたオースミグラスワンのこと。2ちゃんねるが発信源らしいが、現役時代には厩舎関係者やファンにこの愛称で親しまれた。06、08年の新潟大賞典の勝ち馬で、レース前半は後方でモサモサ。その姿はやる気のない「おっさん」だが、ひとたびエンジンが点火すると「栗毛の貴公子」に変身する。08年勝利時には上がり31秒9の日本記録を樹立。あの怒とうの追い込みにほれ込んだのは筆者だけではないはずだ。

 現役時代の影響がまだ残っているのか、先頭に立つとイレ込んでしまうため、今は後方の誘導馬になっているが「最近では飛越ができるようになり、徐々に気の悪い面が抜けてきています。そのうち、先頭を歩けるようになれると思いますよ」と乗馬センターの職員が話してくれた。その日がくるのが楽しみだ。

(美浦想定班・武山修司)

2011年07月22日