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馬三郎25時

まさかのしんがり負けの理由

 先週の日曜日は休暇を取って、ダービーを観戦するため十数年ぶりに東京競馬場へ。昨年とは一転して晴天に恵まれ、約11万人が年に一度のお祭りムードに酔いしれた。

 以前、松田国師から「ダービー当日は1Rから雰囲気が違う」と聞かされていたが、その言葉通り朝イチから異様な盛り上がり。メーンのファンファーレ時は地響きがするほどの極限状態になった。関西の競馬場ではあまり見られない光景で、ダービーならではの醍醐味(だいごみ)を存分に味わうことができた。

 結果は周知の通りだが、個人的に注目していたヒストリカルは後方から見せ場なく、まさかのしんがり負け。これにはさすがに気を失いそうになったが、音無師によれば「ゲートで左トモをパイプにぶつけて、向正面では手前ばかり変えていた。あれでは競馬にならないよ」と敗因がはっきりしており、参考外の一戦と言ってもいいだろう。 帰厩後も元気な姿を見せており「体も回復して今のところは順調。木曜日に放牧へ出して秋に備えたい」(澤助手)と幸いにもダメージはなかった様子。年齢を重ねるに連れてどんどん良くなる血統だけに、今後の成長を心待ちにしたい。

 先週でひと区切りを終え、今週からダービーへ向けた新たな戦いが幕を開ける。どんなドラマが待ち受けているのか今から興味は尽きない。

(栗東想定班・森岡健一郎)

2012年06月02日