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馬三郎25時

安藤浩貴

大雨で命を落とした悲運の馬

 大雨の追い切り日には必ず思い出す馬がいます。地方競馬記者時代の20数年前に出会った、カガヤクナツニです。珍馬名をつけることでおなじみの小田切有一氏の所有馬で、中央では16戦して未勝利。道営にやって来たのは夏でしたが、なかなか名前のように輝くことができず、秋を迎えることになりました。

 当時、函館では夏の中央開催が終わった後の10月には道営競馬が開催されていました。その函館で悲劇は起こりました。ある朝、夜中から降り続いた雨でダートコースは田んぼのような状態。それでもやまない雨は、一番水はけの悪い2コーナーを冠水し、ジョッキーの胸までつかるほどの状態になっていました。本来なら調教を中止するべき状況だったのですが、閉門まであと30分とあって馬場を閉めずに続行されました。

 その時でした。カガヤクナツニが1周目のキャンターで放馬し、そのまま勢いよく胸までつかるほど冠水した水たまりに突っ込んで転倒。驚くことに同馬は競馬場のコースでおぼれて、そのまま水死してしまったのです。

 今ではまず考えられないでしょうが、当時、環境が整っていない地方競馬では起こってもおかしくない事故でした。皮肉にも夏が終わり冬支度が始まる秋に、輝くことなく亡くなってしまった同馬。道営競馬で一緒だったのは短い夏のひと時でしたが、地方記者時代の忘れられない一頭になっています。

(栗東時計班・安藤浩貴)

2010年05月01日

著者紹介

安藤浩貴

安藤浩貴

北海道出身、1968年10月26日生まれ(生年月日は井森美幸と一緒)。栗東時計班。趣味はキャバクラ通いで特技は無駄使いだが、馬券は堅実派。当たると思う馬券しか買わない。血液型O。