ダート界制圧へ前進した。「第21回アンタレスS・GIII」(ダート1800m)は16日、阪神11Rに16頭で争われ、単勝1・8倍の圧倒的1番人気に支持されたアウォーディー(栗東・松永幹)が力強く差し切り、重賞3勝目を挙げた。武豊を背に中団の外めで流れに乗ると、3コーナーから徐々に進出を開始。先行した3番人気のアスカノロマン(2着)との叩き合いを半馬身差で制した。勝ち時計は1分49秒9。さらに3馬身差の3着には後方から伸びた5番人気のサージェントバッジが入った。

　これでダートに転向して4戦4勝。武豊は「いいレースでした。相手も強かったけど、勝てたことが一番。ダートでは負けていないので、今後が楽しみ」と満足げだ。

　前田幸治オーナーは破顔一笑。UAEダービーを制した半弟ラニが米国で調整中とあって、「ケンタッキーダービー(米GI・5月7日・チャーチルダウンズ、ダート2000m)に勢いがついた」と喜んだ。松永幹師は中山競馬場でテレビ観戦。「賞金加算できたのが良かった」とホッとした様子を見せたが、自身は震災のあった熊本県出身。「実家や友人に連絡を取ったけど、ひどい状況だそうです。気持ちが落ち着かない」と故郷を心配した。

　5連勝を狙う舞台について、トレーナーは「帝王賞(6月29日・大井、ダート2000m)へ。賞金が足りなければ平安S(5月21日・京都、ダート1900m)も考えたい」と明かした。ダート界の一等星に。新天地で輝きを増した6歳馬が無敗街道を突き進む。

力強い伸び脚で差し切ったアウォーディー(左)=阪神競馬場

2016年04月17日