馬三郎25時

“馬の温泉”効果で一変したアンコイルド

　あっという間の２週間だった。５年ぶりに訪れた函館競馬場。函館記念は◎アンコイルド（７番人気）が２着に頑張ってくれて、１着△トウケイヘイローとの馬連（３５９０円）的中。何とか出張の成果を残すことができた。

　そのアンコイルドの取材で、同馬が競馬場内にある“馬のための温泉施設”を毎日利用していること聞き、先週末に見学させてもらった。隣接する名湯・湯の川温泉の「大湯温泉」内に６２年に開設されたが、競馬場から公道を５００ｍほど歩いて行かなければならないため、７８年にいったん廃止された。しかし、厩舎関係者の強い要望もあり、８１年に競馬場内に改めて開設されて現在に至っている。ナリタブライアン、カネヒキリなどの名馬もリハビリに利用していたのは有名な話だ。

“馬のための温泉施設”を利用しているアンコイルド

　湯の川温泉から引き込んだ源泉は６６度。これを４０度前後に保ちながら供給している。入浴時間は１５分で、馬は熱に弱いため、全身浴ではなく脚浴となる。脚元からはジャグジーが噴き出し、上からは総湯量１・５トンのシャワーが肩から背中、腰を入念にマッサージ。疲労回復、関節炎、筋炎、腱靱帯炎、神経性疾患、皮膚病への効能がある。慢性の筋肉痛に悩むアンコイルドにとっては、非常に効果的だったようだ。

　「バックで（浴槽に）入れるので、最初は怖がる馬も多いけど、時間が経つにつれて瞳がトロ〜ン。それを見ている厩務員さんの癒しの時間にもなっているようですよ」とは函館競馬場競走馬診療所の塩瀬友樹所長。施設内の壁には、温泉を利用して勝った馬の名前が張られている。「たくさんの馬が、函館ならではのこの温泉を利用してくれて、その中から重賞を勝つ馬がどんどん出てきてほしいですね」。函館名物“馬のための温泉”をアピールしてくれた。

（関東デイリー・村上英明）

2013年07月16日