馬三郎25時

“頂上に輝く馬”が厩舎のイメージを変える!?

　誰が呼んだか『短距離王国・西園厩舎』。ハクサンムーンがサマースプリント王者に輝いたことで、そのイメージはより一層強くなったが、「そのフレーズ、先生は心外だって言ってましたけどね」と田中助手は苦笑いする。実際、開業から２４を数える平地重賞勝利のうち、２１勝がマイル戦以下。どんな条件でも結果を出し続けていることは誇れることだと思うが、その偏ったイメージが、師の意に反することなら脱却せねばなるまい。

　日曜阪神でデビュー予定のリノリオ。父はダンスインザダーク、兄イコピコは０９年神戸新聞杯勝ちや菊花賞４着の実績があり、クラシックを狙っていける血統。「顔つきや普段のしぐさは兄にそっくり。馬房の中でだらしなく休んでいるところなんかも本当に似ている。ケイコは２週続けて古馬をあおる動きだし、かなりの能力を秘めている。兄の果たせなかったクラシック制覇の夢を追いかけたいね」と師はほほえむ。

　ハワイの言葉で兄イコピコは『頂上に』、弟のリノリオは『輝く馬』。兄弟の思いが重なったとき、厩舎にとってもこれまでと違ったカラーを打ち出すのかもしれない。

（栗東厩舎班・安里真一）

2013年09月12日