城谷豪

売り上げよりファンの信頼を…

　４月から中京競馬場の馬場改装工事が始まるため、開催日程が変更になって中京で行われた小倉大賞典。「違和感があるな」と感じていたが、残念ながら名前だけでは済まなかった…。

　展開のカギを握っていたモエレビクトリーの出走取消に始まり、オースミスパークに騎乗予定の赤木が９Ｒで負傷して藤岡康へ乗り変わり。さらに枠入り途中に機械の誤作動でゲートが開き、ドリームサンデーが１角まで逸走するアクシデント。加えてゴール直前で２位入線のマイネルスターリーが斜行で５着降着と、モヤモヤ感の残るレースとなってしまった。

　特にドリームの直前逸走についてはふに落ちない。「直後に馬体検査を実施したが、一定以上の心拍数を超えていなかったので、取り消さずにそのまま出走に至った」とＪＲＡから発表があったが、先手を奪えず早々と後退した内容から、とても万全の状態とは思えなかった。公正を訴えるなら出走を取り消し、払い戻すべきだと思ったのは筆者だけではないだろう。

　今回に限らず、発馬直後の落馬や、枠内膠着（こうちゃく）などが起こると、返金を求める声は多い。事実、競艇ではフライング返還なるものが存在する。返還→売上減少の図式は理解できるが、もう少しファンの気持ちをくみ上げてもらいたいと痛感した。

（栗東時計班・城谷豪）

2010年03月06日