安里真一

ステップアップを目指してのフリー転向

　４月８日付けでフリーになった和田騎手。つい先日、プライベートでこの手の話をしたときには「テイエムオペラオーでの経験が礎になって今の自分があるし、我慢して乗せ続けてくれた岩元先生にはいくら感謝してもしきれませんからね」と、本人には全くその気がなかった。それだけに、今回の件はあまりにも急な展開だったが、師弟関係に亀裂ができたわけではなく、騎手としてより一層のステップアップを目指すためのフリー転向である。

　週初めには「フリーになって食っていけるんやろか」と本音をポロリとのぞかせていたが、いろんな厩舎に足を運んで精力的に営業活動をし、バリバリと調教に励んでいる姿にはやる気がみなぎっていた。

　これまでは自厩舎での騎乗を優先し、重賞レースの有力馬に乗れないことが何度もあっただけに、後ろ盾がなくなることよりも、強い馬を追い求めて乗れることの方がモチベーションアップにつながるのではないだろうか。「大きいところを勝ってアピールしたいですね」と力強く語ったように、桜花賞のレディアルバローザでは気迫のこもった騎乗を見せてくれるに違いない。

（栗東想定班・安里真一）　

2010年04月08日