武厩舎のＪＧ?馬２頭の再戦が楽しみだ

　ＪＧ?・中山グランドジャンプは５分を越えるタフな消耗戦となった。メルシーエイタイム（落馬中止）が圧倒的な支持を受けたが、頂点をつかんだのは同じ武厩舎のメルシーモンサン。８番人気の伏兵が、高野容騎手を背に大金星を挙げた。

　武師は「アクシデントさえなければ、エイタイムはレベルが違うと思っていた。でも、モンサンも長い距離なら悪くても３着、うまくいけば、ドンブリって考えていたんだよ」と笑う。本命馬の落馬中止に周囲はざわめいたが「あのとき、モンサンの帽子は見えていたが、エイタイムは分かりにくいポジションにいてね。（落馬は）瞬間的に分からなかった。えっ、とびっくりしたが、そこからはモンサンに集中した。最後はノメっていたけど、力で押し切ってくれた」とＶを喜ぶ。

　武師と言えば、積極的に障害レースに参戦。活躍馬を多く輩出する。障害戦での成功の秘訣を尋ねてみると「たまたまだね」と意外な答え。しかし、その裏には名脇役の姿がある。「うちの杉山（助手）が障害に転向予定の全馬を練習で跳ばして、モノになるのか判断してくれる。そこから、ジョッキーに依頼するんだ。障害練習で強くなる馬もいるし、可能性は伸ばしてあげたいからね」と語った。より危険と隣り合わせとなる障害レース。出走に関しては慎重な姿勢で臨んできた。

　もちろん、今後の目標は暮れの中山大障害（１２月２５日・中山）だ。「放牧先で夏を過ごします。モンサンは東京ハイジャンプ（１０月１６日・東京）を予定。エイタイムは平地の平場を叩いてからになるね」。Ｇ?馬同士の再戦が今から楽しみだ。

（関西デイリー・矢野幸一）

2010年04月27日