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この馬はどの馬?

 その馬が本当にその馬かどうか。先日、栗東で「馬の個体識別とマイクロチップ」についての研修に行ってきた。各馬の健康手帳には「品種・性別・毛色・顔の白斑・旋毛(つむじ)・四肢の白斑・その他追記事項」が記されているが、個体を見極めるにはかなりの知識と経験が必要。例えば「珠目上・初地・沙流上・左後一白」などと言われても、照合の知識がない人には何のことやらさっぱり見当がつくまい。

 専門知識のある人でもミスは避けられない。実際、地方競馬では馬の取り違えが幾度も起きている。最も世間を騒がせたのは94年の事件だろう。園田所属の馬が荒尾所属の馬として8戦し、しかも4勝を挙げてしまったのだ。JRAではここ20年ほどはこういった事例はなく、未然に防げているというが、まったく同じ特徴を持つ馬は全体の5%弱は存在する。競走馬の移動が頻繁になった昨今、いつ大事件に発展してもおかしくない。

 そこで、マイクロチップ(以下MC)の登場だ。ディープインパクトが導入第1号となり、07年度産から埋め込みが義務づけられた。MCには15けたの数字が記載され、パターンは約1億通り。ざっと1000年間は同一番号が存在しないことになる。MCは馬のたてがみ付近のじん帯に埋め込まれ、取り出しも極めて困難。番号データの改ざんも不可能だという。生物学的適応ガラスを使用しているため、馬体への影響もない。

 さて、いいことずくめに思えるMCだが、実際には故障するケースも多いらしい。リーダーによる読み取りができず、2個も3個も埋め込まれている馬がいるとか…。カタログスペックとしてのMCの耐用は25?30年とあるが、今後はさらに精度と強度を高めることが課題になってくるだろう。

(関西デイリー・長崎弘典)

2010年05月11日