森岡健一郎

気になる疲労度

　「両雄並び立たず」ということわざがあるが、先週行われたＮＨＫマイルＣはそんな言葉がぴったりと当てはまるレースだった。

　前哨戦のニュージランドＴを完勝したサンライズプリンス、毎日杯を圧勝のダノンシャンティ。大物と呼ばれる２頭の初顔合わせ。ともにダービーへの叩き台として臨んだレースでもあったが、結果は周知の通り。ちょっとした展開のアヤで今回は明暗がはっきり分かれてしまったが、内容そのものはほぼ互角。この一戦だけで甲乙を付けるのはまだ早いだろう。

　順調なら次走はダービーの予定だが、個人的に気になる点がひとつある。それは疲労度。ＪＲＡレコードを樹立したこのレース。まだ、馬体が完成されていない時季での高速決着だっただけに、使ったダメージは相当なものに違いない。そこで、ダノンシャンティの陣営にそのあたりを尋ねてみると「ジョッキーがスタートからゴールまで負担の少ない騎乗をしてくれたおかげで、反動も見られませんからね。これなら週末には乗り始められると思います」と松田国師。

　生涯一度の晴れ舞台まであと２週間。このまま無事にゲートインを迎えてほしいものである。残念ながら、プリンスの方は右前浅屈腱炎を発症してしまったが、プリンスの分まで頑張ってほしい。
　
（栗東想定班・森岡健一郎）

2010年05月16日