森元要輔

今年のダービーは競馬界の決定機

　競馬はスポーツか、否か。時々、記者同士でも議論の対象となる話だ。個人的には是々非々のスタンスだが、競馬が野球やサッカーなどとスポーツ新聞の紙面を競い合う立場ではある、と思っている。

　そういう意味では、今年は競馬を盛り上げにくい状況になるはずだった。４年に一度の地球の祭典・サッカーＷ杯があるからだ。ところが、民主党の党首、幹事長と同じくらい人気のない、日本代表監督を続投させたことで、少なくても国内では熱狂の予兆すらない。誤解を恐れずに言えば、競馬界にとって、この状況はチャンスである。少なくてもダービーは、世の中の話題の中心になる可能性を得た。

　さて今年の日本ダービー。ベテランの記者が過去に記憶にないというほど、空前絶後の素晴らしいタレントが顔をそろえる。武豊をいう希代の名優が間に合わなかったのは惜しいが、考え得る限りの状況を関係者が整えてくれた。

　あとは競馬記者、我々の出番である。いかにファンの期待を高められるか。競馬場に足を運びたくさせられるか。力の限り、ダービーを盛り上げていきたい。売上減に悩む、競馬界に訪れた決定機。必ずものにしないと。

（美浦時計班・森元要輔）

2010年05月20日