松永篤

ボルテージは最高潮

　本日はダービーデイ。競馬サークルは「ダービーで始まり、ダービーで終わる」とも言われるように、競馬の祭典に向けて、ファン、関係者らのボルテージは最高潮を迎えようとしている。ここ東京競馬場もメーンイベントが刻一刻と近づくにつれ、盛り上がりが高まり、競馬場全体に緊張感が漂っている。

　最大の焦点は、ヴィクトワールピサとペルーサの２強対決に集まっている模様。土曜日の前売り最終オッズはペルーサが２．４倍で１番人気。ヴィクトワールピサが小差の２．６倍。最終的なオッズは、締め切り間際まで混迷しそうだ。戦前の評価がここまで二分するダービーも久しく思える。

　ただ、ここまでペルーサが人気を集めたのは意外な感じがする。ヴィクトワールピサという“王道路線を連戦連勝している”存在がいるにもかかわらず、この人気なのだ。その要因は「無敗」もさることながら、結果次第で海外挑戦を視野に入れており、当初から凱旋門賞を具体的に挙げている「スケールの大きさ」がファンを魅了しているのではないか。果たしてどこまで強いのか、底知れぬ可能性を秘めている。

　ヴィクトワールピサが父同様に２冠を達成するのか、無敗のダービー馬が誕生するのか、それとも２頭に待ったをかける馬が現れるのか、大いに期待してこの競馬の祭典を見届けたい。

（美浦想定班・松永篤）

2010年05月30日