後藤孝男

あの車の持ち主はいったいどこに…

　美浦トレセンの近くにアウトレット・ショッピングモールがオープンして１年が経った。オープン当初は、周辺の道路には他県ナンバーの車であふれ、身動きが取れないほどの渋滞だった。「こんなに車があるのか」と思ったものだが、それでも華やかな雰囲気に包まれていたのを思い出す。

　だが、それももう昔の話になってしまった。週末にはそれなりのにぎわいは見せているが、平日は閑散としているらしい。このことからも、日本人の“新しいもの好き”はハンパでないのがわかる。そういえば、開港したばかりの茨城空港も同じ状況だというから納得である。

　先日、久しぶりにそのアウトレットに行った時のこと。広い駐車場にはなんと車が半分近くまで埋まっており、平日なのにどうしてこんなに人がいるのだろうと驚いた。ところが、中に入ってみると人影はまばら。ときどき人とすれ違う程度で、聞いた通り閑散としていた。まさに景気の悪さを象徴している光景だった。

　不思議なのは、あの車の持ち主はいったいどこにいったのかということである。駅や繁華街に近いパチンコ店やスーパーなら納得できるが、この周辺には何もない…本当に不思議である。

（美浦時計班・後藤孝男）

2010年09月01日