城谷豪

アパパネの調整過程に興味津々

　アパパネが秋華賞を制し、７年ぶりの牝馬３冠（阪神ＪＦを含めれば４冠）を達成した。ディープインパクトとスティルインラブが３冠を達成した時は、ともに調教当番を終えてのＴＶ観戦だっただけに、３冠馬誕生の瞬間に立ち会えたのは今回が初。コスモネモシンから勝負した馬券は紙クズと消えたが、すがすがしい気分になれた。

　しかし、前哨戦をプラス24キロで４着に敗れた後、栗東に居残り意欲的な調教を施し、さらに前日には坂路で直前追いまで敢行する攻撃的な姿勢を貫いた陣営の判断には、本当に頭が下がる。?３冠を意識するあまり、牝馬にしては少し調教がキツイのでは…?とうがった考えを起こした自分が、今となっては恥ずかしい限りだ。

　しかも、これまでが同着を含むわずかな着差だったのに対し、今回は４分の３馬身差とはいえ、１Ｆ手前で堂々と抜け出す完勝劇。次走（エリザベス女王杯が有力）に向けてこの後も栗東に滞在する予定だが、古馬牝馬トップのブエナビスタが天皇賞に向かうことを考えれば、最有力候補になるのは間違いない。今から調整過程に興味津々だ。

　ちなみに??着馬もアパパネ同様に栗東で調整された関東馬。最近ブランド化しつつある栗東滞在組がまたまた大活躍した。関東馬の選択肢としてさらに定着することは間違いなさそうだ。

（栗東時計班・城谷　豪）

2010年10月23日