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泥臭い人間ドラマこそが感動を呼ぶ

 年末の風物詩となった外国人ジョッキーの来日。今年もスミヨンが天皇賞・秋でブエナビスタを勝利に導いたのを始め、各々の騎手が巧みな手綱さばきを見せている。ただ、世界の腕に酔いしれる一方で、レースへの印象や感動が薄れているような気がする。

 競馬を始めた当時、騎手と馬をコンビで応援してきた。しかし、最近では大レースでも乗り代わりが当たり前の時代。強い馬は挙げられても、好きな馬を即答できない自分がいる。そんななか、府中牝馬Sで2年目の国分恭、ファンタジーSで4年目の田中健が重賞初制覇を飾ったことはうれしい話題だ。

 2人の共通点といえば、ともに所属する厩舎で勝利を収めたこと。田中健は浅見厩舎所属だが、川村師、木原師と3人の師匠を持つ、初めてのケースでデビューした。マルモセーラは調教、レースとすべてを任されており、現在の彼女の最大の理解者だ。ただ、前走は勝利への焦りからか、満足する騎乗ができなかった。「馬に助けられた」と笑顔のない勝者に、「もっと馬を信じて良かった」と木原師も厳しい表情。それでも、この勝利を誰より喜んでいた。

 若手のホープと注目を集める国分恭もテイエムオーロラの変化をしっかりと感じ取って、レースに挑んでいる。「まだまだ」と師匠の五十嵐師はその騎乗ぶりを評するが、「昨年はおどおどしていたが、結果が出てきているので自信がついてきたのだろう。たくさん乗せてもらっているからね」と親心をのぞかせる。マイルCSで初めての共同会見に臨む弟子を会見場で眺める師の姿が印象深かった。

 すべての騎手に厳しい時代だが、とくに若手は経験がないと伸びることはない。負け続けて人気となった馬がいるように、ファンを感動させるシーンはさまざま。そのひとつが泥臭い人間ドラマであると思っている。


(関西デイリー・矢野幸一)

2010年11月23日