11年も“無事是名騎手”のフェアプレーに期待

　「ホッとした。獲れて満足だけど、獲れて当然という気持ちもある」。特別模範騎手賞受賞の一報を受けた藤田騎手はそう言って喜びを表現した。

　特別模範騎手賞とは何か？競馬ファンには聞き慣れない賞だろう。年間の制裁を１度も受けずに、優秀騎手賞の各部門（勝利度数、勝率、賞金獲得）のうちいずれかで５位以内に入った騎手だけが受賞できるものだ。結果にこだわれば騎乗もラフになりがち。フェアプレーを貫き、好成績を残すことがいかに難しいかは過去に３人の受賞者しかいないことからも分かるだろう。

　藤田騎手は史上初となる２度目の受賞となった。デイリースポーツと馬三郎に掲載されているコラム?よろしいやん！?では時折、制裁を受けたジョッキーに対し、苦言を呈している。常にフェアプレー精神を掲げる特別模範騎手だからこそ、言葉に重みがある。

　昨年はトップジョッキーの落馬も多かった。「周りが戦線離脱していくなかで、次はオレの番じゃないかというプレッシャーがあった。そんな危機感もあったからいつも以上に緊張した」と振り返る。無事是名馬というが、ジョッキーも同じ。?無事是名騎手?を目指してほしい。２０１１年も安全な競馬を願いたいと思う。

（関西デイリー・井上達也）

2011年01月11日