吉田順一

今週の競馬開催について

　11日に発生した東日本大震災は想像を絶する被害…。いまだ数多くの方が安否不明で、孤立している方も多数いる。さらに福島第一原発や東京電力と東北電力が行う計画停電、断水や燃料不足など、問題は山積みだ。株価も大暴落し、日本経済の見通しも暗い。

　競馬界も３月中は中山競馬の開催を断念したが、それ以上に断水や計画停電の影響を受ける美浦所属馬の状態が心配だ。今週から阪神と小倉競馬場で開催の見込みだが、大きな不利になることは間違いないだろう。

　一個人として被災地、被災者にできることは義援金を送ることぐらいだが、この業界に身を置くものとしてこれ以上の競馬界の沈滞を見て見ぬふりはできない。

　ただ、いまだ不安定要素を多く抱えてグラついている国内で、部分的に行われる競馬開催が果たしてベストかと言われれば、賛否両論はあるだろうが個人的には「ノー」だ。まず国益を考えて競馬開催時季を吟味し、開催日をできるだけ減らさず、Ｇ?などの日程を大幅に変えるなど柔和な対応をした方がいい。

　とは言っても、それらを踏まえてＪＲＡの出した答えが今週の開催とあらば、全力で仕事にまい進するのみである。

（栗東時計班・吉田順一）

2011年03月16日