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復興へ、競馬ができること

 東日本大震災の影響を受け、開催の是非が問われるなか、2日間の開催中止の翌週には阪神と小倉で競馬が行われた。「競馬どころじゃない」「こんな気持ちで競馬に乗るなんて」という意見もあれば、「仕事だから仕方がない」「復興のためにもやらないと」と前向きな言葉も…。栗東トレセンでは様々な意見が聞かれた。

 ある騎手はこう話した。「こんな時に競馬?って思う人もいる。自分だってどういう気持ちで騎乗すればいいのかわからない。前に出るのはJRAのエライさんでもなければ、馬主さんでも、調教師でもない。騎手なんだよね。テレビに映るのだって馬と騎手だから」。矢面に立つものとすれば、複雑な思いも当然だろう。記者も開催再開には疑問を持っていた一人。ただ、レース後、募金活動に並ぶジョッキーたちとファンの長蛇の列を見て、考えが変わった。?開催して良かった?と―。

 JRA、馬主会、調教師会、騎手クラブと、それぞれが義援金を贈ることを決めた。一方で芸能人の義援金は個々のアピールの場と化している。アイドル集団までが名乗りを上げ、何千万円!いや、こちらは何億円!と張り合うように金額がつり上がる様は気持ちのいいものではない。本当の善意とは匿名で行われるものだろう。被災者の方々は助かることには違いないが…。

 遠く離れたイタリアで留学中の松田Jは一人で募金箱を持って競馬場の前に立っている。異国の地では立ち止まってくれる人も少ない。「僕にできることをしているだけです。今はそれぐらいしかできませんから」。金額の大小じゃない。その気持ちは被災者の方々にきっと届く。お気づきの方もいるだろう。今週の藤田Jコラム(デイリースポーツ掲載)は題名が変更された。「こんな状況で?よろしいやん?は適切じゃない。題名を外してくれへんか?」と頼まれた。気づかなかった自分が恥ずかしかった。被災地への気遣いとはこういうことだろう。1日でも早い復興を願うばかりだ。

(関西デイリー・井上達也)

2011年03月22日