佐野裕樹

“男気”のある田中剛師に注目！

　先週の日曜・阪神７Ｒ、ドンドドーンで開業初勝利を挙げた田中剛厩舎。師は「ほっとしました。この世界に入るきっかけをつくってくれた辻牧場の馬で勝てたのはうれしいですね。これからも頑張ります」と、いつもどおり謙虚なコメント。個人的に時計採取を頼まれ、取材にも快く協力していただいているだけに、初勝利の瞬間は思わず声が出てしまったほどだ。

　田中剛師は現役時代に「不死身の剛」と呼ばれていた。障害ジョッキーとして再起不能とまで言われた落馬事故から何度もカムバック。体中、あちこちにボルトを埋め込んだと聞いているし、厩舎開業と同時に大ケガをしたにもかかわらず、翌日には何食わぬ顔をして調教にまたがっていたのには驚いた。

　騎手時代にはケンカをして、新聞に大きく取り上げられたこともある。そんなこともあって「怖い」「武闘派」というイメージがつきまとったのだが、いざ接してみると、年下である筆者にも礼儀正しく低姿勢。ギャップというか、こういうところに男気を感じて、今ではすっかりと「信者」になってしまった。これからも応援して行こうと思っている。

（美浦時計班・佐野裕樹）

2011年04月10日