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武山修司

アンカツも真似できない“伝説”の名ジョッキー

 10日に行われたG?・桜花賞では安藤勝己騎手が騎乗する2番人気のマルセリーナが勝利した。スタート直後にごちゃつき、後方からの競馬を強いられる展開。4角で同位置にいた1番人気のホエールキャプチャが安全策をとり、大外に回したのに対し、インで我慢。直線ではあいたスペースを一気に抜け出す鮮やかな勝ちっぷりだった。もし直線で前があかなかったら…。G?の大舞台で腹をくくる好騎乗に驚いた。ゴールした瞬間、「言い方に語弊があるかもしれないけど、勝己は勝つ競馬をしていない。だからすごいんだ」と以前、兄の光彰騎手が話していたことを思い出した。

 だが名手・安藤勝己が笠松所属当時に全く太刀打ちできず、「真似をしたくてもできない。したいとすら思わない」と言わしめた伝説の騎手がいた。

 坂本敏美。1952年生まれで、名古屋競馬場所属。1985年7月の落馬により、騎手生命を絶たれてしまったが、その年の連対率は6割9分のハイアベレージ。当時を知る人は「長鐙(あぶみ)の天神乗りで、お世辞でも格好のいいフォームではなかった。平然と大外にブン回してロスのある競馬をしても、なぜか彼が通るところだけよく伸びた。坂本が乗れば馬は走る。あんなすごい騎手は後にも先にも見たことはないよ」と称した。

 引退後は身体障害施設でリハビリをしていたが、2008年2月に心筋梗塞のため他界。記者が坂本騎手の存在を知ったがつい最近のこと。生前の内に騎乗技術についての話を聞いてみたかった。それが自分にとって大きな財産になっていたはずだけに、本当に残念でならない。

(美浦想定班・武山修司)

2011年04月24日

著者紹介

武山修司

武山修司

1969年2月24日、千葉県出身。美浦想定班。温和な人柄で有名、通称「仏の武さん」。当たりの柔らかさを武器に、的確な情報を予想に反映させている。得意きゅう舎は尾形、奥平。蛯名、江田照騎手と親交が深い。