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「馬の持つパワー」が感じられたお花見

 少し前の話になるが、関東騎手クラブは13日に美浦トレセン内の乗馬苑で、東日本大震災により美浦村の“光と風の丘公園ロッジ”に避難している福島県の被災者を招き、お花見を開催。桜が咲き乱れているその場所へ、私も取材で足を運んできた。被災者は27人、騎手は38人が参加。この催しを間近で見て感じたのは「馬の持つパワー」だ。

 被災者とすれば、桜をめでる余裕などなかったかもしれない。世の無常に泣きたい心境だったのでは…と思う。それでも食事会のあと、馬との触れ合いタイムに入ってからは、場の雰囲気がすごく和んだような気がした。

 ヘルメットをかぶってムチを携え、騎手さながらの格好でポニーに乗って胸を張る子どもたち。また、おとなしい乗馬の背中で緊張した面持ちでいる子どもを見つめる大人たちは、皆がすてきな笑顔だった。これまで競馬には接点や興味がなかった人がほとんど。それでも笑顔になれたのは、馬が各人を優しく包み込んでくれたからだろう。

 「まだ大人は頑張っていけるけど、子どもが悲しんでいる姿は見ていられない。子どもたちの笑顔をなくすことだけはしたくなかった。復興まで何十年かかるか分からないなか、それでも(復興を)支えていくのが今の子どもたちなんだから」

 ファンサービス委員長を務める後藤は、真剣なまなざしでこう話した。馬の力を借りつつ、馬との触れ合いを通じて少しでも心を癒してもらおうと実施された今回のお花見。その企画力と行動力を含めて、地味ではあるけれど、騎手クラブのファインプレーだったように思う。

(関東デイリー・野田口晃)

2011年04月26日