松永篤

東京競馬場の芝コースに異変が…

　本日は３歳最強牝馬を決めるオークスが行われる。来週は競馬の祭典、日本ダービーが控え、盛り上がりのピークを迎えようとしている府中だが、今週からの東京コースは「異変」とも言える事態にある。土曜日の競馬を見た方はすでにご存じであろう。芝コースの走破時計が異様なほどに速いことだ。

　ＪＲＡの公式ホームページによると、今月の１７日と１８日に芝刈りを実施。先月の東京開幕週（皐月賞ウィーク）には緑が青々と生い茂り、北海道の洋芝を思わせるほどに深い芝だったことは記憶に新しい。しかし、今では見るからに芝の丈が短く、実際に昨日のレースでは面白いように好時計がマークされている。３歳未勝利（芝１４００ｍ）を勝ったブルースターは１分２１秒１。同距離で行われた３歳５００万下の勝ち馬レッドストラーダは１分２０秒９。レッドにいたってはサンクスノートがつくったレコードにわずか１秒１差しかない、驚きの時計。

　各レース後、多くのジョッキーが「頑張っているが、時計がが速過ぎて…」や「勝負どころの瞬発力で差が出てしまう」など共通した敗因を挙げている。いずれにしても今後の東京開催は、この高速馬場に対応できるか否かが非常に重要になってくる。

　オークス発走時は降雨の予報だが、そう簡単にこの傾向は変わらないだろう。２冠制覇がかかるマルセリーナとオルフェーヴル。世代では２頭の実力が抜き出ている構図だが、またひとつクリアすべき課題が加わったと言える。

（美浦想定班・松永篤）

2011年05月22日