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若武者のさらなる飛躍に期待
14日に行われた京王杯SCはストロングリターンが重賞初Vを飾った。鞍上の石橋脩はこれが重賞3勝目。今回は過去2回とひと味違う喜びが当人のなかにある。
タッグ結成は内田博がケガで離脱したことにより、急きょ実現した。ストロングリターンのみならず、ほかのレースでも3頭ほど1番人気馬が回ってきた。いずれも懇意にしてもらっている堀厩舎の馬。当方を“穴王子”と冷やかしてくるちゃめっ気あるジョッキーだが、心は非常に熱い。燃えないわけはなかろう。
「ここが人生の勝負所だと思いましたよ。やっぱりローカルじゃなくて本場で乗りたい気持ちはある。上を目指したいですから。それに内田さんが乗れなくなった時、堀先生は内田さんが騎乗予定の馬を全部乗せてくれた。ほかにも空いているジョッキーがいたはずなのに。ありがたかった。まあプレッシャーはすごかったですけど」。
結果は4戦3勝。人気馬に乗っているとはいえ、この数字はほめたたえるべきだろう。「でもね、実は重賞を勝った喜びよりも、負けた一戦(ファントムロード=6着)が悔しいんです。全部勝たせたかった」と敗戦に目を向けるあたりは、さらに上を目指す者ゆえ。一方で、「ストロングリターンは自分でもよく仕掛けを我慢できたなと思う。不思議ですよ。今までだったら早く仕掛けて、詰まったりしていたはず」と自身の成長も感じたようだ。
重賞制覇以上に貴重な経験をした若武者。今後、さらなる飛躍に期待したい。
(関東デイリー・豊島俊介)
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