絶好調ジョッキーと格言の併せ技

　先週、日曜日の東京競馬場。「また北村宏かよ?」という声が記者席にこだました。そりゃそうだ。１日で５勝と“競馬の神が降臨”したからだ。芝、ダート問わず、戦法も逃げあり差しありで、短距離から長距離まで…。それは手が付けられない状況であった。

　口火を切ったのは、ゴール直前で差し切った２Ｒのウインイマジンだったが、２着馬に乗っていた吉田豊は「北村がさぁ…ゴールで?あ??とか言うから、てっきり自分が勝ったと思ったよ。でも宏なんだよ?」と嘆いていた。最近は技だけではなく、先輩を煙に巻く「口撃力」も会得したようだ。

　そして、８Ｒでダンシングマオで勝ったあたりでは、田中勝（２着馬に騎乗）に「きょうのお前には何をやっても通用せんわ」と大先輩を脱帽させる始末。「盆と正月が一度に来たよう」とはこんな状況を言うのか…。

　その北村宏がエプソムＣで騎乗するのはスズジュピター。人気の一角セイクリッドバレーと同じ高橋裕厩舎だが、競馬の世界には、「２頭出しは人気薄を買え」という格言がある。事実、先週の安田記念も堀厩舎のワンツーだったが、勝ったのは人気のないリアルインパクト。やはり先人の言葉は生きていた。

　神が降臨中（もう逃げたかな？）の北村宏と、競馬の格言が合体。この馬に逆らっては、馬券的中は不可能か!?


（美浦想定班・玉川　祝）

2011年06月10日