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第二の人生でG?制覇を

 美浦に厩舎を開業してちょうど20年、6月20日付で秋山雅一調教師が勇退した。JRA通算276勝には、その戦績以上にファンの人気が非常に高かったクリスザブレイヴでの01年富士S制覇なども含まれる。まだ55歳の若さ。2年目の92年に関東優秀調教師賞を受賞するなど腕は確かで、本人も「余力も十分なんだけどね」と苦笑いするなかでの幕引きとなった。

 子どものころから馬と接してきた。父の秋山史郎さんが管理したスガノホマレ(レコード勝ち5回、シンザンの種牡馬としての初期産駒)には学生時代に並足の乗り運動でまたがり、ゴムまりのような乗り味に感動。調教師生活をスタートさせてからはゲイリートマホーク(01年七夕賞をV)など、気性がかなり難しいタイプも数多く手掛けてきた。いろいろな思い出があるなか、この仕事は魅力的だったという。

 「50歳を過ぎても毎週ワクワクドキドキできる仕事は、ほかを探してもないと思う。“それなら辞めなければいいのに”って言われるかもしれないけど(笑い)。経営者としての才が足りなかったということでしょう」

 競馬業界が低迷するなか、結果的にはその荒波に飲まれる形となった。近年は成績が低迷。「僕は、調教師は職人だと思っている。職人に徹して仕事ができた時代もあった。でも今は、それだと難しいから」と語った。

 ただ、その口調は決して湿っぽくはない。前向きになれるひとつの理由は、第二の人生で新たな夢を描くことが可能な場所があるからだ。美浦トレセンの近くで親族が経営する育成牧場、KSトレーニングセンターで、裏方として競馬界には今後も携わっていく。

 「体力的にはしばらく大丈夫だから、自分の経験を生かして競馬を支えていきたい。馬の仕事から離れずに済むし楽しみなんだ。(KS―は)坂路もあってすごくいい施設だよ」とうなずいた。調教師としては手が届かなかったG?制覇を、ぜひとも達成してほしい。

(関東デイリー・野田口 晃)

2011年06月21日