セレクトセールの下調べに驚がく

　７月11、12日に行われたセレクトセールは、多くのメディアで報道されているように大盛況。社台Ｆ代表の吉田照哉氏も「（売り上げが）戻るとは思わなかった」とうれしい誤算だったようだ。

　今やグリーンチャンネルやインターネット放送でも見られるようになったが、一般の方の入場はＮＧ。筆者は知り合いの関係者に紹介していただき、10年前から足を運んでいる。当然あのディープインパクトの当歳時も見ているはずなのだが、その年のカタログを見返すと全くのノーマーク。ちなみにその年に◎が付いていた馬は２勝止まり…。センスがないと言われればそれまでだが、活躍馬を当てるのは非常に難しい。

　実際に購買される方はセリ当日だけで判断しているわけではなく、前もって上場馬を吟味してから臨む。ある調教師のカタログを見せてもらうと、大量の書き込みと付せんで通常の１・５倍ほどに幅が膨らんでおり、相当な下調べをしているのだ。「ただ馬を見ているだけだと思われるけど、実際に一日中見ていると非常に疲れるんだ。さらに馬を買うとなったらそれ以上に神経をすり減らして見なければならない。実は過酷なんだよ」と某師は話してくれた。

　ここまでしてもかなりのリスクを背負うことになるが、多くの人がそれぞれの希望を持って挑んでいる。いつか自分もとは思うが、消費税（最高額で1800万円）も払えないようでは到底無理な話か。

（栗東想定班・木村拓人）

2011年07月16日