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熱血記者の異動で思うこと

 尊敬する他社の記者が、異動のため中央競馬担当を離れることになりました。仕事で手を抜くことはなく、取材もとても熱心。多くの関係者から信頼される名物記者だっただけに、寂しい限りです。

 右肩下がりの競馬業界。JRAもマスコミ各社も、口を開けば“経費削減”“人員削減”で、記者の中にはモチベーションの低い者も、目立つようになりました。競馬界はこれからどうなっていくんだろう…。危機感のない人に対し、いらだちを覚えることもしばしばあります。

 取材する側がそんな状況ですから、取材される側が非協力的になるのも、仕方ないことかもしれません。取材する側には、される側の立場を思いやる必要があります。また当然ながら、最低限の勉強も必要でしょう。まずはマスコミが襟を正さないと始まりません。

 それを差し引いても、残念ながら非協力的が過ぎる関係者(主に関東)も多くいます。取材を疎む有力調教師や騎手(もちろん協力的な人も大勢いますが)。そしてそれを正せないJRA。馬主側にばかり目が向いているせいもあるのでしょうが、皆が自分本位になっていては、右肩下がりに拍車がかかるばかりです。協力しあって競馬を盛り上げていかなければ―。ひとりの熱血記者の異動で、そんな思いをまた強くしました。

(関東デイリー・竹下かおり)

2011年08月30日