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キャリーオーバーに惑わされるな!
たったこれだけ?と首をかしげた人が多かったに違いない。第21回WIN5(9月11日)の払戻金は100万8010円。このうち29万2060円がキャリーオーバーによる加算で、実質の的中分は71万5950円。中山10Rでカワキタコマンド(9番人気)が入り、かなりの脱落者が出たはずなのに…。振り返れば、同じくキャリーオーバー発生中の第11回WIN5(7月3日)もそうだった。払戻金は1万9680円。人気サイドで決まったとはいえ、意外な低配当に終わっている。
買わない(買えない)人だからこそ、冷静に見られるのかもしれない。某トップジョッキーがWIN5についてポツリとつぶやいた。「億狙うてるなら、キャリーオーバー発生中はやめといた方がええって。それだけたくさんの人が買うてるんやから」。?キャリーオーバー=お得?といううたい文句を、無条件で信じ込んでしまったファンは僕を含めてかなり多いだろう。それは第11、21回の売り上げ額に如実(にょじつ)に表れている。
体感以上に高額な配当が飛び出すケースは、「投票のムラ」に助けられている面が大きい。仮に対象レースがすべて18頭フルゲートだとすると、買い目は188万9568通り。1000万票をもってしても、網羅し切れないのが現状だ。それがキャリーオーバー発生中は投票数倍増によって「ムラ」が薄まってしまう。「でも、加算分があるじゃないか」という意見もあるだろうが、いやいや、その程度で相殺できないことは、過去の2回でしっかりと証明されてしまった。
一発で巨万の冨を得ようとする人こそ、キャリーオーバー発生中は要注意。周囲の過熱ぶりに惑わされないよう心掛けたい。
(関西デイリー・長崎弘典)
2011年09月20日
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