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“3冠達成”を陰で支えた一人

 お蔵入りするのはもったいない話があるので、この場を借りて紹介させていただきたい。主役は滋賀県のノーザンファームしがらきに務める斉藤野人さん。彼のこれまでの経歴は、なかなか興味深いものがあった。

 地元京都の高校を卒業後、競馬の仕事に興味を持った彼は、北海道のノーザンファームへ就職。希望していたライダーを目指して、練習の日々を過ごした。だが、現実は厳しく「ど素人で入ったし、全然ダメだった」。技量が足りず、希望とは異なるイヤリング(馴致)に配属された彼はジレンマに苦しみ、2年弱で北海道を後にした。

 その後、美浦トレセン近郊の小野瀬ファーム内にあるリバティホースナビゲートに務めるが、長続きはしなかった。半年後には、地元の京都に帰って、運送業や食品関係の仕事に就く。気がつけば約3年もの時間が経っていた。日々募るのは「中途半端に止めてしまった」という競馬の仕事に対する思い。そんなある日、競馬雑誌に掲載されていた“牧場スタッフ募集”の記事を目にする。

 救い主は鳥取県の大山ヒルズ。「馬乗りを一から教えてもらった」と感謝した彼は、水を得た魚のように2年間働き、ライダーとしての腕を磨いた。その頑張りは、以前務めていた北海道にまで届き、かつてお世話になっていた先輩の勧誘を受けて再びノーザンファームに復帰する。4年間、実績を作り、しがらきの開業とともにオープニングスタッフとなった。

 今現在、彼は29歳。しがらきでは、史上7頭目の3冠馬となったオルフェーヴルの調教を任されている。どこかでボタンの掛け違えがあれば、今ごろはニートになっていたかも…。夢を諦めない気持ちは、きっと“3冠達成”の力になったことだろう。

(関西デイリー・松浦孝司)

2011年11月01日