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参考になる香港の制裁制度

 先週の日曜に行われた香港国際競走を今年も観戦してきた。日本馬にとっては無念の結果に終わったが、競馬のシステムについてちょっと考えさせる事象があった。

 カレンチャンに騎乗した池添Jが騎乗停止処分を受けた。結果的に日本での騎乗には支障がない形になったが、日本の感覚で見れば審議にもなるかどうか?というレベルのもの。ちなみに香港カップを勝ったチャドウィックも直線でよれている(審議になり、降着にはならないレベルだが、騎乗停止処分を受けた)。事情通によれば「香港は世界から裁決のプロフェッショナルを集めているし、日本のように当事者から話を聞いて判断することはない。だから自信を持って駄目なものは駄目と言うし、納得がいかないのなら香港で乗らなくてもいいというスタンス。だからジョッキーは従うしかない」と話していた。これを厳し過ぎると取るかどうかは立場によって変わるだろうが、個人的にはこの方が公平な判断ができるのではと思う。

 日本では騎乗停止=降着という図式があり、ファンに責任を押しつける形になっていることが、進路妨害に対する判断を難しくしている要因の一つだろう。前述の2件はともに着順には全く反映されておらず、切り離して考えられている。馬、騎手、厩舎、ファン。今のシステムは責任の所在がどこにあるかがあやふやだ。しっかりと考えていく必要があるのではないか。

(栗東想定班・木村拓人)

2011年12月17日