最後も彼女らしい走りを―

　さあ、いよいよ有馬記念。ブエナビスタ様のラストランです。“様”を付けたのは、彼女を崇拝しているから。涼しい顔でオトコをけ散らす姿は、オンナの目から見て、正直「気持ちイイ」ものです。
　
　男社会に身を置いて十数年。ほかのことでは劣っていると思いませんが、やはり体力では男性にかないません。そのことで「女はダメだ」と見下されることに、ずっとストレスを感じながら仕事してきました。それがどうでしょう。ブエナ様はあっさりと、牡馬に勝っちゃうのです。あこがれないわけにはいきません。
　
　もうひとつ、彼女に引かれる理由があります。それは“馬ばなれ”していること。表面的には穏やかでありながら、内に秘めた感受性の強さものぞかせる―。じっくり観察していると、知性さえ感じます。人間で言えば、美人でスタイル抜群で、そのうえ頭もいい女性。まさに理想の女性像と言えるでしょう。
　
　豪華な顔ぶれとなった今年の有馬記念。強い強い馬たちがそろいました。勝っても負けてもいい、彼女が彼女らしく走ってくれれば―。その場に立ち会える幸せを感じながら、ラストランを見守りたいと思います。

　（関東デイリー・竹下かおり）

2011年12月20日