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いぶし銀ジョッキーだった小島貞師
先日、小島貞博調教師が亡くなった。60歳というあまりにも早い、そして突然の急逝。1月23日の夜、一報を受けた際は信じられず、何度も聞き返してしまった。
調教師として、05年の中山大障害(J・G?)を制したテイエムドラゴン、05年のアイビスSD(G?)を勝ったテイエムチュラサンなどを手掛け、着実に実績を積んでいた。ただ、筆者にとっては騎手時代の印象が強く、92年の皐月賞、ダービーをミホノブルボンで制して2冠を達成。さらに94年のオークスをチョウカイキャロルで、95年にはタヤスツヨシでダービー2勝目を挙げるなど、G?5勝の活躍。派手さはなかったが、大舞台に強い、いぶし銀のジョッキーだった。
友人に誘われ、初めて馬券を買ったのが92年の日本ダービー。ミホノブルボンと小島貞博騎手(当時)のコンビが、ダービー制覇に挑んだ一戦だ。レースは同馬が先手を奪い、4馬身差での逃げ切りV。馬券は外れてしまったが、遅咲きの苦労人がダービージョッキーの栄冠を手にしたのだ。そのサクセスストーリーに競馬の素晴らしさを感じたので、それ以降はどんどん競馬の魅力にはまり、結果的にはこの仕事をするきっかけとなった。20年近くも前の話だが、筆者にとっては決して忘れることができないスタート地点。それだけに今回の訃報は、ただただ残念でならない。謹んでご冥福をお祈りしたい。
(編集部・古河雄一郎)
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