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“天才”らしい騎乗が完全復活
先週のセントポーリア賞を逃げ切ったメイショウスザンナ。前半1000mを63秒5の超スローペース、ラスト3Fを全て11秒台でまとめられては、強豪牡馬たちも出番がなかった。そして、彼女を優勝へとエスコートしたのが、“天才”武豊。個人的な見解だが、確実に全盛期の姿に近づいていると思う。2週前のトレイルブレイザーでの京都記念制覇でも、それが分かってもらえるはず。好位追走からドンピシャのタイミングでスパートし、長くいい脚を使うという同馬の持ち味を存分に生かしていた。
瞬時にペースを判断し、柔軟にスタイルを変えていくクレバーな騎乗こそが武豊の真骨頂だと思っているだけに、この2つのレースはそれを見事に象徴しているのでないだろうか。ここ2年の成績はもうひとつで、「引退時期を間違えたのか」という声が周りでささやかれたが、それは落馬事故の影響が残っていただけ。どんなスーパースターにだってスランプはある。“天才”は己を知り尽くしているからこそ、まだジョッキーを続けているのだと思う。
ちなみに、先ほどのメイショウスザンナが1万7000回騎乗のメモリアル。それを勝利で飾るあたりは、さすがスターは違う。“持っている”男が完全復活すれば、競馬は必ず盛り上がるはず。それを楽しみに待ちたい。
(栗東想定班・森田真司)
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