まずは全馬の無事を…

　先週の土曜は未明からの断続的な降雨で、中山競馬場のダートコースは水が浮いた状態。２Ｒではゴール入線後に、７Ｒでは４コーナーで、骨折して転倒する馬が出るアクシデントを目の当たりにした。その光景を直視できない気持ちは、競馬初心者の時と少しも変わらない。

　粕谷師が「競馬を使うのが怖くなった」と心情を吐露した。同日に粕谷厩舎が１Ｒと２Ｒに出走させた管理馬は完走こそしたものの、レース後に故障が判明。特にカーラノーチェは全治９カ月の重傷だという。４、３着と好走して、未勝利脱出は時間の問題だっただけに、厩舎への打撃は大きい。「つなぎにボルトを５本入れた。これで未勝利戦には間に合わなくなったから、いったん地方に転出させて再入厩させるしかないな」と師は肩を落とした。

　同馬に騎乗した伊藤直は１日付で粕谷厩舎の調教助手に転身。「水の浮いたダートで着地の際、水と一緒に砂を跳ね上げるから、脚が硬い路盤まで届いたのでしょう。引き上げる時は気が付かなかったのですが、地下馬道では歩様がおかしくなって…。ボクのために用意してもらった馬だから本当に申し訳ないです」と厩舎の一員として責任を感じていた。今週の馬場状態も微妙だが、全馬の無事を祈りたい。

（美浦想定班・安川時男）

2012年03月02日