“馬券心”をくすぐるニューヒロイン

　先週のチューリップ賞は２歳女王ジョワドヴィーヴルを筆頭に、重賞勝ちの実績を持つジェンティルドンナ、エピセアロームなど桜の到来を感じさせる豪華な顔ぶれがそろったが、それらを並ぶ間もなく差し切ったのは伏兵ハナズゴール（父オレハマッテルゼ×母シャンハイジェル・加藤和）だった。

　「正直、権利を獲れれば…と思っていたけど、まさか…」と驚きの表情を浮かべたのは加藤和師。実際、環境の変化に戸惑い、カイバをあまり食べなかったという。「馬体を戻しながらの調整になってしまって、直前の追い切りも無理をしなかったんだ。レースでもマイナス12キロでしょ？それでいて、あの内容だからね。今度は環境にも慣れてくると思うし、いい状態で本番を迎えたいね」とＧ?制覇に力を込めた。

　追い日は自ら調教にまたがって、精力的に汗を流す加藤和師。そして、馬三郎スタッフの席に上がってきては、いつも“馬券心”をくすぐる情報を提供してくれる。ちなみに、ハナズゴールもデビュー前から「この馬はいいよ」と教えられていた一頭だった。

　桜花賞での評価が「伏兵の域」を超えないようだったら、当然、本命候補にと考えている。

（美浦時計班・佐野裕樹）

2012年03月09日