競馬の神様はいないのでは…

　神様はどこにでもいるようですが、競馬をする人にとって一番身近にいるのが“競馬の神様”でしょう。この神様はあまり優しいとは言えず、僕らに試練ばかり与えているようです。

　先日、友人Ｋが急に「もう競馬をやめた！」と言ってきました。自分を棚に上げて言うのも何ですが、Ｋと出会ってから既にこの言葉を数千回聞いているだけに、「またか！もういいって」と返すと、「今度は本当だ。もう今年に入って、ヤバイくらい負けたから、しばらく休まないと大変なことになる」と興奮しながら話していた。いつものように口先で言っているだけだと思っていたら、その週は本当に馬券を買わなかった。２０数年も買ってきて、週末に休んだのは初めてだそうです。

　これだけの決心なんだから相当ヤバイだろう…と思っていたら、翌週ほんの少しだけ買った馬券が的中！その後のレースもバシバシ当たって土曜はプラス決算で終了。翌日も朝イチから絶好調で、ずっともうかりっぱなし。調子に乗ったＫは、そこからほとんどのレースに参加してしまった。しかし、嘘をついたことで競馬の神様の怒りに触れてしまったのでしょう。午後からは全く当たらなくなり、結局は前日のプラスも吐き出し、大幅マイナスで夜を迎える結末。帰り際にはまた「もう競馬はやめた！」を口にしていたが、今度は本当かもしれない…。

　それにしてもこの競馬の神様。苦しい時には助けてくれず、気に触ることをしたら簡単にソッポを向く、ひどい神様である。もしかしたら、競馬の神様なんておらず、競馬に関係するのはすべては「エンマ様」なのではないか…。ちなみにＫは今週も馬券を買っていました。

（栗東時計班・安藤浩貴）

2012年03月11日