２歳にして年度代表馬の快挙！

　2011年のフランス年度代表馬に２歳馬のダビルシムが選出された。日本では２歳馬が年度代表馬に選出されることはまずあり得ないことだが、仏国では82年のサンシリアン、91年のアラジに続く20年ぶり３頭目の快挙だそうだ。
　
　サンシリアンは仏Ｇ?を１勝しただけでの選出だけに、古馬勢がよほど手薄だったようだが、アラジは仏Ｇ?を３勝し、米国に遠征してＢＣジュヴェナイルも制覇。フランスだけではなく、その年の欧州年度代表馬にも選出された。ＢＣジュヴェナイルの衝撃的な勝ちっぷりは今でもハッキリと覚えている。

　ダビルシムはジャン・リュックラ・ガルデール賞、モルニ賞のＧ?２勝を含む５戦全勝での選出。少頭数とはいえ、後方２番手から持ったままで馬群をこじ開けて進出すると、そのまま後続に３馬身差をつけて快勝したモルニ賞の勝ちっぷりは圧巻だった。このレースからＬ・デットーリ騎手とコンビを組み、続くジャン・リュックラ・ガルデール賞も制覇した。父はマイルＣＳや香港マイルなど21戦８勝の成績を残したハットトリック。北米で種牡馬入りしたハットトリックを受胎した母は08年の繁殖牝馬セールで仏国生産者に購買。仏国で生まれたのがこのダビルシム。ハットトリックは米国でも重賞勝ち馬Howe Great（ハウグレート）を輩出しており、サンデーサイレンス旋風を巻き起こしている。

　日本で血統登録されているハットトリック産駒は３頭いるが、現３歳のアンソニーバローズはまだ未出走。２歳世代には母ドリーボンズレガシーの牡馬、母ヒシナイルの牝馬がおり、デビューを目指して調整されている。受胎率の低さから種付け頭数が減り続けているだけに、人気回復はダビルシムを筆頭にした３歳世代と今年デビューの２歳世代の活躍にかかっている。

（美浦時計班・石渡重伸）

2012年03月15日