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想像を超える「化け物」の走り
阪神大賞典は戦前から確固たる逃げ馬が不在で、大外枠に入ったオルフェーヴルにとっては難しい競馬を強いられるのではと踏んでいたが、想像を優に超える、まるでゲームの世界でしか在りえない衝撃的な走りだった。競馬歴約20年の筆者が思い返しても、似たようなケースはシーキングザパールの新潟3歳S(当時の表記)くらいではないかと記憶しているが、あわや勝つのではと思わせた点では、はるかに印象に残るものになった。レース後には池添騎手、池江調教師双方から「化け物」という表現が出ているのもうなずける。結果は出せなかったが、よりファンの多い馬になったことは間違いないだろう。
個人的な話ではあるが、POG1位指名馬とはいえ、期間の終了に伴い、特段思い入れを持っていなかった完全な実利主義者。しかし、今回の走りにはさすがに心を揺さ振られた。調教再審査を課せられた上に、凱旋門賞挑戦には、次走で何が何でも結果を求められる立場。関係者のプレッシャーは計り知れないと思うが、この試練を乗り切ってほしいと今は切に思っている。ひいき目なしにオルフェーヴルなら凱旋門賞制覇を成し遂げることができるからだ。
(栗東想定班・藤田浩貴)
2012年03月19日
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