オークスを盛り上げそうな素質馬

　来週は桜花賞、再来週は皐月賞と、クラシック戦線は花盛りを迎える。先週のミモザ賞を勝ち上がったハイリリーも夢をつないだ一頭だ。

　その１週前のフラワーＣに意欲を見せていたが、痛恨の除外。「使っていればそう差はなかった」と尾形師はガックリ肩を落としていたが、その言葉通り自己条件では強い内容を披露した。出負けしながらも流れに乗り、１番人気に応えてゴール前できっちり差し切っている。

　このレースには、懇意にしている相沢師のアイスフォーリス、田中清師のセコンドピアットも出走。ともに「チャンスは十分にあるはず」と意気込んでいたとはいえ２、３着には驚いた。

　桜花賞の１週前登録にハイリリーの馬名があった。そのあたりを尾形師に聞くと「せこいようだが、登録料の４万円を、だね（クラシック第１、２回の登録料が返還される）」と説明していた。本番のオークスを使うためには、２勝馬では苦しくなる。そこで目指すのはフローラＳ（４月22日、東京2000ｍ）で権利を獲ることだ。

　春の中山開催の土曜日は毎週、雨にたたられた。ミモザ賞で騎乗した三浦は「最後はまだ余裕があったし、パンパンの良馬場で切れ脚を生かす競馬が理想」と絶賛。この馬の参加でオークスはますます面白くなる。

（美浦時計班・鶴谷義雄）

2012年03月30日