二度と出会えないレベルの牝馬

　いよいよ桜花賞。おそらく１番人気はジョワドヴィーヴルだろう。ハナズゴールの回避は残念だが、それでも今年は関東馬の層は厚く「東女」にも十分に女王のチャンスがありそうな様相だ。

　その中でも特に注目しているのが松岡騎乗のサウンドオブハート。「生涯、このレベルの馬に出会うことはないような気がする」と常々言っており、正海のこの馬に対する熱さは半端ではない。

　先週の土曜日には午前４時にサウンドオブハートの調教にまたがった。松岡クラスのジョッキーなら競馬開催日に調教に騎乗することはなく、これは異例のことと言える。“なぜ？”と尋ねてみると「この馬にまたがることが、うれしくて仕方がないんです。たとえ朝の早い時間でも、自分もアッという間に目が覚めるような感じ。あの日も本当に素晴らしい動きを披露してくれた」と、まるで恋人との“ごちそうさま話”を聞いているような内容だった。

　肝心の本番について“どんな競馬をするつもりだ？”と聞いてみたが、「周りは関係ない。自分自身との戦いだと思って騎乗するつもり」と、この馬の能力を信じてやまない姿勢がヒシヒシと伝わってきた。

　現在、関東で桜花賞ジョッキーの看板を持っているのは蛯名騎手だけだ。現役２人目を目指してもらおう！　　　

（美浦想定班・玉川　祝）

2012年04月06日