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後悔しないよう元気なうちに牧場へ
「親孝行したい時に親はなし」ということわざがある。幸い、私の両親は健在だが、名前に“孝”の字をいただいたにもかかわらず、今のところは何もしてあげられてない。情けない限りだ。
実は、そんな後悔の念に苛まれる思いはすでに馬で経験している。09年の夏。86年菊花賞で私の人生を変えてくれたメジロデュレンに会いに行こうと、長野県佐久市のスエトシ牧場への旅行を計画していたのだが…。仕事の忙しさを理由に予定を延期した矢先、同年10月にデュレンは突如としてこの世を去った。26歳。老衰死だったという。
ただ、突如とはいっても、馬は人間とは違う。2月に事故死したスリープレスナイトのようなケースもあるが、馬の平均寿命は約25歳。ある程度は死期が予測できる。「まさかこんなに早く…」なんていうのは人間の勝手な都合でしかない。
10年3月のオグリキャップ、11年10月のシンボリルドルフの死は競馬界に衝撃を与えたが、ひとそれぞれ思い出の名馬はいるもの。今年に入ってからは、1月にサクラチヨノオー、2月にミスターシクレノン、4月にメジロパーマーとダイナガリバー、5月にシンチェストが世を去った。彼らは私の“青春”の馬。自分の年齢を考えても、今の時期に死が重なるのはいわば必然だ。
ダービーが終われば、競馬はあっという間に夏モード。北海道では函館競馬が開幕し、緑豊かな馬産地は、牧場巡りに最高のシーズンを迎える。すでに私は計画を練っているところ。競馬ファン、特に40代の方々には、思い出の馬が元気なうちにぜひ足を運んでもらいたい。
(関西デイリー・松浦孝司)
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