馬場の最優先項目は安全では!?

　ドームが相次いで造られた頃は、管理のしやすい人工芝の球場が主流となった日本プロ野球界だが、最近、徐々に変化の兆しが見られる。人工芝ならよりソフトなものを模索するようになり、球団によっては天然芝に移行するところも出始めた。コストは以前より掛かっても、すべては選手の体のため、業界の財産を保護するための転換だ。

　一方で競馬界はというと、馬場の高速化は止まらず、先週の京成杯ＡＨでは、１分３０秒７という信じがたい記録が出た。現在の中山の馬場は見た目にも鮮やかで、快時計も「馬場造園課の努力のたまもの」なのかも知れないが、速すぎる時計で走ると、馬の脚にかかるダメージもそのぶん大きくなる。「レコード」の文字よりも、スターホースがターフに居続ける方が、ファンサービスになるのは明らか。時計は遅くても安全な馬場を強く希望する。

（美浦調教班・森元要輔）

2012年09月13日