競走馬に優しい馬場を願う

　先週の日曜は台風１７号の影響で阪神競馬が中止になったが、中山は無事に開催された。メーンのスプリンターズＳは１分６秒７のレコードタイムでロードカナロアが優勝した。強い馬が強い競馬をしての結果だけに見応えは十分にあった。ただ、今開催の中山芝は硬い馬場の影響か、軒並み高速決着の連続。競走馬の脚元への影響を考えると手放しには喜べない。

　確かに馬券予想において持ち時計は重要な情報だ。ただ、馬あっての競馬であり、もっとも大事にされるべき存在は競走馬である。スターホースと呼ばれる馬たちに限らず、どんな条件馬でもレース中の故障は見るに堪えない。完走しても後に故障発生という場合もあり、春のクラシックシーズンや、秋のＧ?シリーズに出られないケースも多々ある。もちろんそうならないように馬体のケアなど日々、関係者は仕事に従事している。馬券の売り上げが減少している昨今、ファンに魅力ある競馬を提供しようとすることは理解できるが、もう少しサラブレッドにとって優しい馬場にしてもらえたらと思う。

（栗東調教班・紺谷和彦）

2012年10月03日