“元・鉄人”の陰の努力に感服！

　１７、１８日は今年最後の福島競馬に出掛けた。向正面の阿武隈山系の紅葉が見事で、競馬を堪能した。土曜日は増沢末夫元騎手のトークショー、日曜日はマスターズが行われ、オールドファンには懐かしい面々で顔をそろえた。近代競馬１５０年の一環で、時任福島競馬場長のアイデアもあったらしい。

　特に“ローカル男”の異名を取った増沢さんのトークショーが印象的だった。前日の金曜日に福島入りしたが、いつも行く飲み屋で飲んでいると、元馬社のトラックマン・沖田さんが土産を持って顔を見せた。

　その理由を聞くと増沢さんの付き添いで来たと言う。「いまカラオケ屋にいるんだ。先日、大井競馬場（１４日）でハイセイコー記念があって“さらばハイセイコー”を歌わされたが、久々で声が出なかったという。それで練習を兼ねて１人でいるんだ」と説明していた。

　史上初の２０００勝ジョッキー。生涯２０１６勝を記録したが、福島では３分の１となる６７１勝を挙げている。若手騎手の助言としては「まずスタート。前に行くと不利を受けることが少ないからね。見ているファンに安心感を与えるためにも」とスタートを真っ先に挙げていた。

　歌詞の３番まで間違いなく丁寧に歌い終えた。前日のカラオケ効果は抜群だったようで、福島のファンも酔いしれていた。“元・鉄人”の陰の努力にも感服！

（美浦調教班・鶴谷義雄）

2012年11月23日