外れ馬券は経費にならない！？

　“馬券で約１億４千万のもうけを出したが、課税対象は６億９千万”

　これだけ聞くと詐欺のような話だが、先日このニュースを聞いて大変驚いた。

　会社員の男性が０７年からの３年間で約２８億７千万の馬券を購入し、約３０億１千万の配当を得て、利益は約１億４千万。自分たちの立場からすると本当に素晴らしい話で、この人に買い方をぜひとも教えていただきたいほど。素直にうらやましいな〜と思ってしまうのだが…。

　競馬の払戻金は馬券購入額を差し引いた金額が年間９０万円以上を超えると申告義務が生じる。そして、その場合経費として認められるのは当たり馬券を買った時の金額のみで、今回のケースだと１億１千万。残りの２９億は一時所得として扱われ、それに対する税金と、確定申告を行っていなかった無申告課税を加えた額が６億９千万だというのだ。

　聞けばこの男性の年収はおよそ８００万だという。少し考えれば支払能力をはるかに超えた額だというのは分かると思うのだが…。

　男性は外れ馬券も経費に入れられるべきだと主張して無罪を訴えている。どのような判決を下されるのか、温かく見守っていきたい。

（美浦厩舎班・木村拓人）

2012年12月02日